20170112

とある男の渡米録 巻NO.【final】

「はい、時間はすぎゆくものです」
ロナルド・ダンカン著 『姉の夫』より




【過去ログは↓から】

【ichi】

【ni】

【san】

【shi】








この回顧録
まさか年を越すことになるなど
はたして誰に予想できただろうか


ということで
渡米録第7回目!
最終回!


飲み込むタイミングが判らないので
デイビッドはホルモンが少し苦手だ!











〜回想再開〜



えーっと…
(どこまでやったっけ?)



そうそう!博物館博物館!
スミソニアンでしたね!
スミソニアンにいますよ!
ええ!ええ!


いやいやいやいや!
忘れてない忘れてない!
ダイジョブダイジョブ!
もうダイジョブだから!
もうダイジョブだから!






なぜ人はテンパると
同じことを2回言ってしまうのか

なぜ人はテンパると


ということでお次ぎは
【国立航空宇宙博物館】
SFファン感涙のスポット







っとその前に
ここにもリス

目線の高さにある生け垣におられまして
つまりシャッターチャンスだ
私はワシントンD.C.に入ってから
「リスを見かけたら写真を撮る」
と心に決めていた


それにしてもなんだろう
なにかを探してるのかな?
木の実かな?
虫かな?

木の実であってほしいな








 やせいのリスの たいあたり!
 おおたは こんらんした
こうかは ばつぐんだ!


私とリスの関係は知らぬ間に
戦闘状態に突入していたっぽく
つまり私は戦場で油断したわけだ

「命があるだけマシだと思え」

リスは眼だけでそう告げていた
その視線はさながら徹甲弾の鋭さで
iPhone6s越しに私をぶち抜いた

そのとき私は確かに生きていたが
兵士としては死んだも同然だった

私は戦場に立つ資格を
永久に失ったのだ







んなことはさておき入館!
コスモとロマンを感じろ!






うおお!




うおお!





う……アレ?

雑だ
予算的な問題?





と思ったらこっちはリアル!
見方が難しい!




これはアポロの帰還モジュールか?





2階から撮っても
フレームアウトするロケット
これが宇宙のロマン






このバカでかいブースターを
何個も寄せ集めることでやっと
人は重力に打ち勝つらしい






ユニフォームらしいのだが
ポケットのデザインが◎すぎて
2017SSの新作に見えてしまう







お土産売り場そのレジ裏にて
在庫過多気味のキティ飛行士…

私の本能が絶叫する
これは『見てはいけないもの』だと

栄光あるところに深影あり
宇宙開発に犠牲は付きものなのだ…






おっと宇宙だけじゃないぜ!
出庫難しそうな空母甲板だってあるぜ!
ということで航空スポットであります







もはや言い逃れできないレベルの雑さ

予算的な問題などではない
これは単にやる気の問題だ






ガンサイトの実物!

斜めから覗いてはいけない
正面から向き合って初めて
十字線はその姿を表すのです

なんとなく身につまされますね







この巨大砂消しゴムみたいな
謎構造物は何かと言いますと
空中戦シミュレーターであります





ちょっと伝わりづらいですが
砂消しゴムで例えるならば
保護紙にあたる部分が回転する仕組み
操縦士の桿さばきに応じてぐるんぐるん

「やってみよう」ということになり
母が操縦士で私が射撃手
不安要素120%のタンデム
ここに実現したわけであります


私は戦場に立つ資格がない
しかしやらなくてはいけないときとは
向こうから勝手にやってくるものなのだ
そして目を背けるにはもう近づきすぎた
私に選択権はなかったのだ…






内部の撮影はNGでしたが
外からデイビッドがモニターしており
機内の撮影に辛くも成功!

逆さま状態からまったく脱出できず
15秒間くらい操縦桿をグリグリして
ようやく水平に戻れたと思ったら
「敵どこよ!?」「えっわからん!」
「逆じゃない?」「逆ってどっち?」
という具合に親子の会話は平行線をたどり
決して交わることはなかったのです
フライバイであります







腹は戦をすると減るものと見え
腹ぺこの我々はコチラの
【OLD EBBITT GRILL】へお邪魔様

巨大なくるみ割り人形が目印





貫禄のあるウエイターさん
W杯の優勝トロフィーみたいなやつ
そして広すぎる店内
怖じ気づくな太田

ダイジョブダイジョブ






ら……ライオンだと

しかも1頭ではない
金ピカのがおそらく6頭
噴水の中央でにらみを利かせている
思わず石油王の姿を探す





ウエイターさんの
腕使いがヤバい!

そしてそれに驚かないどころか
見向きもしない客の平常心は
 私が見習うべきところ








かなりトラッドなメニュー表
そして『1856年』という表記!

1856年
日本の年号は『安政』
まだ江戸幕府であります






アワビがエスカルゴ風に調理された
ものすごく美味しい一品

ここの名物らしいです


ちなみに私は
ガッツリといった気分じゃなく
小腹を満たしたかっただけなので
『七面鳥のサンドイッチ』を注文

サンドイッチなら
無茶な量は来るまい










はい終わった

見た瞬間にお腹いっぱい
ごちそうさまでぷ

まあこれもね
写真じゃ伝わらないと思うけれど
一応知っておいてほしいことがあって
日本だと刺し盛りレベルの皿だから
その皿の底が見えてないのです
ワンパクすぎるだろ量が







このピクルスの存在感

当たり前のように置かれてますけど
いやいやちょっと待ってもらいたい
もう凶器ですよこれは

このピクルスからは
『death』という単語をね
連想する







奇跡的に完食しまして
ジンジャーエールを飲み干すと
さらに注ぎ足されるジンジャーエール
いや待ておかわりは注文してない

(これは飲んで良いのか?)

と心中秘かに訝しんでいた私
しかしデイビッドがウエイターさんから
言葉巧みに引き出した情報によると
「ジンジャーエールはタダ」
ということらしい
水扱いなのだという

老舗は何から何まで違った







 そこから少し歩くと
【ホワイトハウス】

大統領選直後なだけに
周囲は超厳戒態勢





アイホンのズーム機能を
フル活用してやっとこの1枚

あの敷地内にもリスはいるのだろうか?






さてここからは
デイビッドがワシントンD.C.の街を
案内してくれるよ!

ホテル周辺のメイン通りを散策です







私が本の虫であることを
知っていたデイビッドが向かったのは
このシャレた古本屋さん

言語の壁を強烈に意識したのは
後にも先にもこの瞬間だけだった…






ここのアンティークショップに
入ってみたかったのだけれども
あいにく早めの店じまい
このとき午後6時

なぜかというと
【THANKS GIVING】
という感謝祭が明日に控えているらしく
つまりアメリカ人は仕事をしなくなる

 そして極東の小島からやって来た
一東洋人の気持ちなど歯牙にもかけずに
前夜祭と洒落こむのである






ということはだ
明日どこも開いてないってことじゃん!
やべえ!

焦る私が音楽好きであることを
知っていたデイビッドが向かったのは
コチラのレコード屋





半地下なんだぜドキドキする





デイビッドそっちのけで
視聴器の前に陣取る太田大輔
photo by デイビッド

デイビッドはマジでいいヤツだ
暇だったろうに
本当にごめんね







半地下とか2階にある店は
どこも雰囲気良かった





レコ屋兼カフェという
オシャレスポット






D.C.のタトゥーショップ
何から何までカッコいい






このレコ屋は安くて良質で
しかも店員のアフロの兄ちゃんが
「おれオオサカ行ったことあるぜ」
って確かそう言ってた記憶がある

ここが一番良かった






買い物を済ませたあとは
またしても【楽屋】だ!

文字通り
太田家は味をしめたのだ!






これがメニューなのだが
丁寧に和訳してある

ふむふむなるほどなるほど
あんまりわからん





 『揚げ出し豆腐』は
英訳不可であることが判明







でけっきょくラーメンである

 確かこれは鶏白湯ラーメン
もちろん味は普通だ
だからホッとした






出やがったな
カリフォルニアロール的なヤツ

 私初めて口にしたのですが
うんうん頷きながら食べた
意外といけますね







 翌朝
滞在も残すところあと1日

母と姉そしてデイビッドは
スミソニアンに行くと言い
私はあてもなく独りでぶらり
銀杏並木を行く













歩けど歩けど
開けている店はなく人もまばらだ
だから私はとにかく歩く

碁盤目状に広がる計画都市を
ほとんど無計画に歩く
バイクやグラフィティを求め
適当にほっつき回る

すると
ふと空気の違いを感じる場所がある

どういう場所かと言うと
しかし詳しく説明するには難しく
ただ単にそういう場所がある

それは気のせいかも知れなくて
思い込みや刷り込みの類いかも知れない

しかし体に巻き付いている見えない糸を
後ろからビッと引っ張られる感覚がある
あるいは高粘度の空気層に突入する感覚
 体を思い通りに動かせないというよりは
むしろ関節の動かし方を忘れてしまう
そういう場所がある

すぐさま方向転換するのは
何となく不自然であるから
私はおもむろに携帯を耳に当てる
そして「そうすることが当然である」
とでも言うようにゆっくりと立ち止まり
しばらくしてからふっと方向転換する
時間を気にする素振りすら見せて

通話の相手はもちろんいないし
時計に至ってはしてもいない
私はエア呼び出しに応じる

それを使って私は
危機を2、3回ほど未然に回避した
しかしそれは危機でも何でもなく
私がビビりだけなのかも知れなかった






photo by デイビッド

最後の夜は
デイビッドの実家で
共に感謝祭を祝う

デイビッドの実家には犬が2匹もいて
名前はジャクソンとジャージー
この図体で全力でじゃれついてくるから
ちょっとした事故なのである

なのでデイビッドと格ゲーしているとき
荒い息づかいとパワフルな足音がしたら
前傾姿勢をとり衝撃に備えてください






急に発情したりもするので
ご注意ください。








翌朝
傾いだ屋根と窓が特徴の
【ワシントン・ダレス国際空港】

姉とデイビッドは
しばらくD.C.に滞在し
私と母の英語話せない組
帰国の途に着く


 「朝食は一緒に食べなくて良いか?」

空港入口にある店よりも
搭乗ゲート付近の店のほうが
どうやら安上がりなのだけれども
 私たちはそこまで行けない
ちょっと高いけど一緒に食べとく?

と英語話せない組を案ずる姉夫婦
心配するな飯くらい大丈夫だ
安いのならば中で食べる
それではまた日本で

私と母は搭乗ゲートへ向かう
姉夫婦は心配そうな目をしていた


結果的に選んだサンドイッチ屋が
SUBWAY方式を採用していて
トッピングやらなんやらの
ベルトコンベヤー式注文法が
まったくと言っていいほど理解できず
我々の後ろに並んでいるお客様には
大変ご迷惑をおかけしました







 ということで
最後の最後まで一波乱あったこの旅も
ついのついに終了なのであります

長々倩々と続いた私の駄文に
お付き合い下さり有難う御座いました



曇天の雲を抜ければ晴れの空

初のアメリカ本土上陸で
何か判ったことはあったかと問われると
デイビッドはいいヤツだってことくらい
何度も言ってるけれども

正直言ってあとは何にも判っていないし
得たものといえばレコード数枚くらい

まあでも唯一気づいたことと言えば
空の上にはまた別の空があって
 もちろん宙なんていう無茶なやつもある
どこまで行ってもそういう作りだろうし
だからと言って虚しくなる必要はない
まったくない
 
手を伸ばして掴める範囲で判ったことが
たとえ些細なことでも特別なのであり
その周りにはまた別の空がある
その存在を知っておくことは大切だ
 なんかそういうことに気づいた旅
 
 
柄にもなくしんみりしましたが
思い出を振り返るってことは
しんみりするものなのです
 
ちょっとは最終回っぽくなったか?
 









最後にお招きくださった
デイビッドのご家族
そして何よりデイビッドに
最大級の感謝を




2017年1月12日
正月の喧噪を後にして。
太田






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